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2兆元の負債額 鉄道省債券発行=中国

2012年05月21日
【新唐人日本2012年5月21日付ニュース】中国鉄道省は5月17日、銀行間市場で200億元の2012年第1期短期債券を発行しました。これは鉄道省が今年に入って公に発行した3回目の債券です。鉄道建設に対する融資は正常ですが、半年も経たないうちに、3回も債券を発行することについては、どう見るべきでしょうか。専門家の意見を聞いてみましょう。
 
中国問題専門家 謝田教授
「中国の高速鉄道は過去数年で巨額を投じました。事故発生後、高速鉄道に対する信用はほとんど失われました。だから乗車率も低く、投資効率も悪いのです。多くの高速鉄道プロジェクトが中止になったため、これらの穴を埋めるには、新たな投資が必要なのでしょう」
 
正常な社会では、余分なプロジェクトの実施や融資には、納税者の民意が尊重され、国会や議会で投票による採決が行われると思いますが、中国の場合はいかがでしょうか。
 
中国問題専門家   田教授
「中国の場合、国民は採決の過程に参与する機会がありません。鉄道省または政府が一旦決めた場合、彼らが決めた事なのに、負担は庶民に押し付けます。今になってみれば、ほとんどの投資は失敗ですが、その結果も庶民が負担することになります。これは無責任なことで、最も不公平なところでもあります」
 
鉄道省は去年9月、すでに債券を試験発行し、銀行間市場で、5年期限で50億元のPPNを非公開発行しています。このPPNの説明をお願いします。
 
中国問題専門家   田教授
「PPNとはPrincipal Protection Note。つまり、保証型の、元金保証型の債券です。これはあいまいな言い方です。中国政府が投資元金を保証してくれると、何をもって信じますか?インフレ高進の状況の下、この所謂保証はあまり意義がないと思います。次に、インフレ率の要素も考慮に入れていないので、中国の庶民に取ってみれば、西側の投資名詞を借りただけで、庶民は投資の保証を受けられません」
 
中国の格付け機関の大公国際信用評価有限公司は、鉄道省の長期信用ランクをAAA、今回の短期融資券は最高ランクのA-1と評価しています。つまり、鉄道省のプロジェクトは基本的にリスクがないとのことですが。
 
中国問題専門家   田教授
「大公国際信用評価有限公司は、強い政府背景を持っています。背景に政府がある、または政府の制御下にある場合、このような評価機関が公正な評価をするとは信じられないでしょう。中国庶民が地方政府の債券に対する客観的な評価を必要としているとき、客観的な格付けを必要としているとき、政府背景のある、または政府との関わりの強い機構による評価は公正とは言えません。中国の投資者にとっては、ミス誘導であり、最大の問題です。鉄道省の債券問題においても明らかに同じ問題が存在します」
 
ありがとうございました。
 


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